作成日:2025/10/12
外国人従業員と就業規則@
有志の社会保険労務士が集まり、時々情報交換を行っています。
ここでは、制度の条文や教科書には書かれていない“実務のリアル”をテーマに、現場で実際にあった悩みを取り上げています。
ここでは、制度の条文や教科書には書かれていない“実務のリアル”をテーマに、現場で実際にあった悩みを取り上げています。
今回のテーマは 「外国人従業員と就業規則」 です。このテーマについてはこの第一段の取扱いから発展していくことになります。
今回はまず、第一弾!きっかけとなった相談です。
🌸会社から「外国人従業員用の規程を新しく作りたい」と依頼してきました。
さて、どう対応すればいいのか、これが今回のテーマです。
❓ 相談のきっかけ
今回のテーマは、大変信頼している経験も豊富なの社労士の方からの提供のTopicでした。
「経験がなく困っていること、わからないこと」を同業の皆さんへ回覧して「アドバイス」をもらっています。
そんな時、全員が「信頼している」とある社労士氏は、およそ全部の質問に根拠条文等を添えた大変丁寧な回答を返してくださいます。社労士の「先生」みたいな方です。
そんな時、全員が「信頼している」とある社労士氏は、およそ全部の質問に根拠条文等を添えた大変丁寧な回答を返してくださいます。社労士の「先生」みたいな方です。
今回はこの方がお客様からご依頼された件についてです。
🌸会社から「外国人従業員用の規程を新しく作りたい」と依頼してきました。
この会社では、「技能実習制度」等を活用し、アジアから来日した若い外国人従業員を多く雇用、会社が寮も用意しています。
ところが、その寮での生活が原因となり、夜の騒ぎやゴミ出しなどの生活習慣の違いから近隣住民からの苦情が寄せられるようになりました。
この会社の従業員は日本人、「技能実習生」ではない外国人従業員などもいて、その就労も一形態だけではありません。当然寮で生活していない外国人従業員もいます。
さて、どう対応すればいいのか、これが今回のテーマです。
※なお、技能実習制度は2027年廃止される予定です。
⚠️ 課題の整理
このケースには2つの側面があります。
1.生活習慣や文化の違い
1.生活習慣や文化の違い
- 日本では夜間の騒音がすぐに問題視されやすい
- ゴミ出しのルール、共同生活のマナーなど、国ごとに常識が異なる
- 本人たちは悪気がなくても「トラブル」となる
- 外国人だけに別ルールを課すと「差別的」と受け止められる可能性がある
- 法的にも「国籍による不合理な取扱い」は問題になる恐れがある
※1に関しては、法律というよりマナーや生活習慣、文化に関することになります。
それって就業規則に記載することなのでしょうか。
それって就業規則に記載することなのでしょうか。
📌 交わされた意見・コメント
情報交流の場では、このテーマに対して様々な意見が出ました。
- 「外国人だから、ではなく“共同生活をする全員”を対象にすべき」
- 「文化の違いから生まれる問題なので、ルールだけでなく教育や説明の場を設けることが重要」
- 「母国語で書かれた生活ガイドがあるとトラブルが減る」
- 「管理団体との連携を強めて、生活面のサポートも仕組み化すべき」
単なる規程整備だけでは解決しきれず、生活指導・コミュニケーション・制度的な枠組みを総合的に組み合わせる必要がある、という点で一致しました。
💡 実務上の対応ポイント
- 就業規則は共通ルールを基本に
- → 就業規則は、全従業員に適用するものである。
- 寮生活ルールや生活ガイドを別冊で整備
- → 騒音・ゴミ出し・近隣配慮を具体的に示し、日本語と母国語でわかりやすく伝える。
- 入寮契約や誓約書で補完
- → 寮に住む人全員が対象となる契約とすれば、差別的に見えにくい。
- 管理団体等との連携
- → 技能実習等で来日している場合、管理団体等が生活指導や地域との調整を担う役割も大きい。
- → 会社単独で抱え込まず、管理団体等と協力することが有効。
◆落とし穴
ですが、ここには会社も担当社労士も認識していなかった盲点がありました。
◆ここからの発展 第二弾へ続く
実はここから、この問題に詳しい先生に繋がることができて、発展していくことになります。
どうぞ、第二弾お楽しみに。