作成日:2026/06/21
社員が無断欠勤したとき、会社がまず確認すべきこと
社員が無断欠勤したとき、会社がまず確認すべきこと
― 退職・処分を考える前に、初動対応を整理する ―
■先日の勉強会の話題です。
一人の先生からこのテーマが出されました。そこでそれぞれの先生からこれまでの経験を話す機会があり、今回はそれを取り上げてみたいと思います。
テーマを進める前に、まず基本を確認します。会社はどういう手順で対応すればいいのでしょうか。
■社員が出勤予定日に出勤せず、会社にも連絡が入らない。電話をしてもつながらない。
上司も事情を把握していない。このような無断欠勤は、会社にとって対応に迷う場面です。
ただし、最初に行うべきことは、退職扱いや懲戒処分の検討ではありません。
まず必要なのは、本人の安否と事実関係を確認することです。
無断欠勤の背景には、単なる連絡漏れだけでなく、事故、急病、メンタル不調、家庭事情、連絡手段の喪失などが隠れていることもあります。
先日の勉強会でも、このテーマが話題になりました。今回は、会社が初動段階で「いつ」「何を」「どの順番で」確認すべきかを整理します。
初動対応は、無断欠勤が判明した当日から始める
無断欠勤への初動対応は、欠勤が何日も続いてから始めるものではありません。
出勤予定時刻を過ぎても本人から連絡がなく、社内にも欠勤連絡が確認できない場合には、その当日から確認を始めます。
初動対応は当日から行い、こういった場合を想定して規定されている就業規則上の期間は、連絡・確認を尽くしてもなお連絡が取れない場合の会社として取扱いを考える場面で問題になります。
会社が行う初動確認の流れ
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時期
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確認すること
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ポイント
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当日・出勤予定時刻後
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出勤予定日か、社内に欠勤連絡や申請が入っていないかを確認する。
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無断欠勤と決めつける前に、勤怠システム、社内チャット、上司・人事への連絡有無を確認する。
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当日中
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本人へ電話、メール、SMS、社内チャット等で連絡を取る。
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誰が、いつ、どの方法で連絡し、結果がどうだったかを記録する。
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当日中〜翌営業日
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本人の生活環境を確認する。
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一人暮らしか、家族と同居か、緊急連絡先は誰かを確認する。
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必要がある場合
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家族・緊急連絡先へ安否確認を行う。
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目的は安否確認に限定し、本人に会社へ連絡するよう伝えてもらう。
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業務上の緊急性がある場合
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会社メール等を必要最小限の範囲で確認する。
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確認目的、確認者、確認範囲を明確にし、記録を残す。
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1 本当に無断欠勤なのかを確認する
最初に確認すべきことは、本当に「無断欠勤」といえる状況なのかです。本人が休暇申請を出していた、上司にだけ連絡を入れていた、勤怠システムや社内チャットに申請・連絡が残っていた、ということもあります。
その日は本人の出勤予定日だったか、年次有給休暇・欠勤・休職等の申請がないか、上司・同僚・人事・勤怠管理者の誰かが連絡を受けていないかを確認します。
2 本人に連絡を取る
社内で欠勤連絡が確認できない場合は、本人に連絡を取ります。電話、メール、SMS、社内チャット、勤怠システムのメッセージ機能など、会社が通常使用している方法から順に確認します。
重要なのは、連絡した事実を時系列で残すことです。連絡日時、連絡者、連絡方法、結果を記録しておくことで、会社が確認を尽くした経過を後から説明できます。
3 本人の生活環境を確認する
本人と連絡が取れない場合は、会社が把握している範囲で生活環境を確認します。
一人暮らしなのか、家族と同居しているのか、緊急連絡先は誰になっているのかを確認します。
この確認は本人を責めるためではなく、安否確認のために行うものです。
特に一人暮らしの場合は、事故や急病の可能性も考え、早めに安否確認の必要性を判断します。
4 家族・緊急連絡先へ連絡する
本人と連絡が取れず、社内でも事情が分からない場合には、家族・緊急連絡先への連絡を検討します。目的はあくまで安否確認です。
確認する内容は、本人と連絡が取れているか、本人の所在を把握しているか、会社へ連絡するよう本人に伝えてもらえるか、という範囲にとどめます。健康状態や家庭事情を必要以上に聞き出さないよう注意します。
5 会社メールの確認は、必要性と範囲を限定する
本人が会社のメールアドレスで業務連絡を行っている場合、顧客対応や業務継続のために、会社メールの確認が必要になることがあります。
ただし、会社メールであっても無制限に閲覧してよいわけではありません。
確認する場合は、安否確認なのか業務継続なのかという目的、確認する期間・範囲、確認者を明確にし、結果を記録します。個人的な興味による閲覧や、権限のない者の独断での確認は避けるべきです。
6 対応の経過を記録する
無断欠勤への初動対応では、会社が何を確認したかを記録することが重要です。
欠勤が判明した日時、社内確認の経過、本人への連絡日時・方法・結果、緊急連絡先への連絡内容、会社メール等を確認した場合の目的・確認者・確認範囲を時系列で残します。
まずは「判断」ではなく「確認」を行う
社員が突然出勤しなくなると、会社としては早く対応を決めたいと考えがちです。
しかし、初動の段階では、退職・解雇・懲戒処分などの判断に進む前に、まず安否と事実関係を丁寧に確認する必要があります。
無断欠勤は、会社にとって問題行動として見えることがあります。それでも最初に必要なのは、問題行動と決めつけることではなく、確認すべき事項を順番に確認し、その経過を残すことです。冷静な初動対応が、後のトラブルを防ぐ第一歩になります。
参考資料
厚生労働省「モデル就業規則」等における無断欠勤・出勤督促に関する記載
厚生労働省「労働者の個人情報保護に関する行動指針」および解説
個人情報保護委員会「個人情報保護法Q&A」従業者に対するモニタリング関連項目