作成日:2026/08/09
令和8年10月改正 会社が今すぐ確認したい『8つの待遇』
〜制度改正への対応は当然。しかし、会社経営の現実も見据える〜
令和8年10月から、パートタイム・有期雇用労働者に関する制度が見直されます。厚生労働省は、同一労働同一賃金ガイドラインの見直しや関係資料の改訂を行い、企業に制度の点検・必要に応じた見直しを求めています。
退職金、病気休職、賞与、各種手当、福利厚生、特別休暇などは、それぞれ独立した制度ではありません。ひとつの制度を見直すと、賃金制度全体や就業規則、労働条件通知書、説明資料まで影響する可能性があります。
法令を遵守することは企業として当然です。一方で、会社経営の立場から見ると、制度見直しには人件費の試算、制度設計、労使への説明、システム改修、就業規則改定など、多くの準備が必要になります。これは会社規模を問わず共通する課題です。
今回の改正により、会社は『待遇差があるか』だけでなく、『その違いを説明できるか』という視点でも制度を確認する必要があります。説明の根拠が曖昧であれば、制度全体の見直しを検討することになります。
今回の改正省令・告示は、令和8年10月1日から施行・適用されます。
厚生労働省は、会社に対し、追加された各種待遇が改正後の同一労働同一賃金ガイドラインに即した内容となっているかを点検し、必要に応じて見直すよう求めています。行政資料には、退職手当や病気休職などの制度見直しについて、10月1日とは別の猶予期限は示されていません。そのため、10月1日以降に初めて検討を始めるのではなく、施行・適用を見据えて、早めに現状把握と検討を進める必要があります。
もっとも、退職手当、賞与、病気休職、各種手当などの見直しは、単に規程の文言を変更するだけでは済まない場合があります。
制度の目的、対象者、支給要件、費用への影響、他の待遇との整合性を確認したうえで、必要に応じて就業規則や賃金規程を改定し、従業員への説明を行う必要があります。このため、実務上は短期間で簡単に完了できるものではなく、計画的に進めることが重要です。
本シリーズでは、このような「会社経営の現実」という視点も踏まえながら、厚生労働省のガイドラインを基に、企業が確認すべき制度を一つずつ整理していきます。
■まず確認したい8つの項目
・退職金制度
・病気休職・私傷病休職
・賞与
・住宅手当・家族手当など各種手当
・福利厚生
・特別休暇
・待遇差の説明
・労働条件通知書・就業規則
■会社が今取り組むべきこと
□ 現行制度の棚卸し
□ 待遇差の理由の整理
□ 就業規則・賃金規程の確認
□ コスト試算
□ 労働条件通知書の見直し
□ 段階的な対応計画の作成
次回予告
第2回からは各制度項目を取り上げます。ガイドライン改正を踏まえ、企業がどのような点を確認すべきか、整理していきます。













